こんばんは、Tacです。
県内のお客様からMP5A5 ハイサイクルのメンテナンスのご依頼がありました。
購入してから1年ほど経つので、メンテナンス&初速アップをご希望とのことです。
故障しているわけではありませんが、トリガーをめいいっぱい引いてようやく作動する感じなので、スイッチ焼けの可能性がありますね。
メンテナンス前にまずは初速を測ってみましょう。
HOPゼロで79~80m/s、適正で74~76m/sとかなり低い数値です。
ハイサイクルシリーズは性能はピカイチですが、初速の低さがネックですよね。
それでは分解を始めます。
私の作業台に敷いてある60cm×45cmのマットに収まるコンパクトさは素晴らしいですね。
軽量、コンパクト、ハイサイクルとサバイバルゲームにはピッタリのモデルです。
まずは、本体の中でも重量のあるストック部分から外します。
ストック基部のピンは片側からネジで固定されているのでそのネジを外し、ピンを抜きます。
ピンを抜いたらストックを基部ごとスライドさせて取り外しますが、ストックのレールにはストックロックパーツと板バネが入っているので紛失に注意しましょう。
また、ストックロックパーツの向きなども覚えておきましょう。
このモデルは、アッパーレシーバーのみモナカ構造になっているので、お客様が取り付けてあったマウントベースを外します。
次にグリップエンド、モーターを取り外します。
グリップエンドを外すと、モーター位置調整プレートが落ちてしまうのでこちらも紛失に注意が必要です。
このプレートが無いとモーター位置が狂ってしまうだけでなく、モーター位置調整が出来なくなり、故障の原因になってしまいます。
ハイサイクルシリーズに使われているピニオンギアは強化タイプとなっております。
磨耗状況を確認したところ、表面の塗装(?)が剥がれているだけでしたので、そのまま使用します。
モーターを取り外したら、グリップ内にあるネジを2本外します。
左面セレクター下部にある小さなプラスネジを外し、左右セレクターを外します。
MP5のセレクターはクリックピンが内蔵されているので安心ですね。
マガジンハウジング後部のピンを外し、ロアレシーバーを斜め下方向に引くようにして取り外します。
次にフロント部分を分解します。
丸で囲った部分にヒューズボックスのツメがありますので、それを外します。
丸で囲った小さなOリングを外し、ホップアップレバーを外します。
丸で囲ったネジを外し、フロント部分を前方に引き抜きます。
丸で囲ったネジとリアサイトを外し、アッパーレシーバーを分解します。
MP5はチャンバーがレシーバーに固定されているので、ネジを外してからチャンバーを取り出します。
メカボックス後方の中継コネクターを外し、レシーバーからメカボックスを取り出します。
丸で囲ったネジがプラスネジ、星になっているネジがT10トルクスネジになっています。
ハイサイクルメカボックスなので軸受けは金属製。
ハイスピードギアに専用ピストンや専用スプリングなどが組み込まれています。
メカボックスを開けてみると、逆転防止ラッチ周辺に見慣れないスプリングが入っていました。
カットオフレバーのスプリングはちゃんと入っており、その他思い当たるスプリングも無いので、謎のスプリングです。
ギアに巻き込まれてしまうと危険なので取り除きました。
メインスイッチは焼けが見られましたが、まだ磨いて使える状態だったので、洗浄と研磨を行い、接点グリス塗布とSBD取付を行いました。
ギアは一度全て洗浄し、再グリスアップを行います。
ギア同士が接する場所にはモリブデングリス、ピストンやシリンダーにはシリコングリスを使用します。
最後に、初速アップのためにメインスプリングを当店オリジナル不等ピッチスプリングに交換して組み上げます。
マルイ製MP5で、特にハイサイクルシリーズは初速が出にくいのでスプリングテンショナーも併用します。
メンテナンス後の初速はHOPゼロで86~87m/s、HOP適正で87~88m/sでした。
法定基準内でこれ以上に初速を上げる事も可能ですが、耐久性を考慮し、上記数値で完成としました。
最後に連射サイクルを計測しました。
スプリングレートを上げても秒間22発以上出ているので十分ですね!
この銃のオーナー様はセミオートメインでご使用されているとのこと。
ハイサイクルシリーズはセミオートのキレも良いので、セミオートしか使わないという方も多くいらっしゃいますね。
そういった場合は、スイッチ焼け対策として、SBDの組込を強くオススメいたします!
当店では持込の調整やメンテナンス、SBD取り付けなども承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
以上、マルイ MP5A5 HCのメンテナンスでした!