2017年02月15日
スイッチ保護SBDの話
こんばんは、Tacです。
今日は電動ガンのスイッチの寿命を延ばしてくれる「SBD」=「ショットキーバリアダイオード」についてお話ししたいと思います。
皆様ご存知の通り、電動ガンの発射メカニズムは
・バッテリーのパワーでモーターを回す→
→セクターギアが回ってピストンを引く→
→開放されたピストンによって発生した圧縮エアーで、BB弾を発射する。
このような構造になっています。
電動ガンを作動・停止させる際にはON/OFFスイッチが必要になるので、メカボックスの中にはアナログなスイッチが入っています。
通常の電動ガンに使うバッテリーの電圧は、7.4v~11.1v等の高電圧かつ高出力なもの。
それらのバッテリーを使ってスイッチのON/OFF(接触)を繰り返していると、スイッチの端子が接点で発生するスパークで焼けていき、最終的には通電しなくなってしまい、電動ガンが動かなくなってしまいます。
だからスイッチの接触回数の多いセミオートでは、早くスイッチが摩耗してしまうんですね(*_*)
スイッチを焼いてしまう原因はこの逆電流で、セミオートを撃ったときやフルオートで指を離したときにモーターが停止し、スイッチに逆電流が流れ、それによってスイッチにダメージが与えられます。
そこで、SBDをモーターに取り付けると、逆電流をモーターに返し、スイッチへのダメージを大幅に軽減する事ができます。
当店でも長らくSBDを取り扱っていますが、私の体感としてはSBDが付いているのといないのとでは、スイッチの寿命が何倍も違うと思います。
使用状況によっても異なりますが、例えば当店のMETシューティングのレンタルガンに使っているG&G製CM16 Mod0。
METシューティングを作ったばっかりの時、SBD付けていない状態の本機を使ってスタッフ数名でテストプレイをしていたら、僅か2週間ほどの使用であっという間にスイッチが焼けて通電しなくなってしまいました。
その時の使用環境は電動ガンにとってはもの凄く過酷で、週に3回程度、一回あたり約2,000発以上セミオートのみで使っていました。
もちろんバッテリーは高出力なLi-po7.4vだったので、スイッチが焼けてしまっても当然の環境(*_*)
その後修理作業を行い、スイッチ交換と同時にダーティワークス製の高性能SBD「バリカタ」を取り付けて、1年半以上レンタルガンとして使っていますが、まだまだスイッチは使用可能!
使用頻度はスタッフ同士で使っていた時よりも若干減ったと思いますが、それでも週に5~6組のお客様にレンタルしていますので、発射弾数=スイッチの接触回数の多さを考えると、SBDバリカタはかなりイイ仕事をしていると言えると思います。
レンタルガンは4丁用意していますが、CM16 Mod0は最古参&最も出動回数の多いモデルなのです! 4丁あっても良く酷使されています(汗)
当店でSBDバリカタを取り付けた電動ガンで、通常使用で想定される電圧(7.4v~8.4v等)のバッテリーで使用してスイッチ焼けのトラブルが発生しているのは、今のところ見たことがありません。
なので、お使いの電動ガンをより長くご使用頂くためにも、当店では保護性能に優れた高性能SBD「バリカタ」の取り付けを強く推奨しております。
・なぜバリカタ / ハリガネなのか?
当店で取り扱っているSBDは全てダーティワークス製の「バリカタ」、「ハリガネ」。
なぜその他のSBDよりもバリカタやハリガネをオススメするのか、その理由をご説明したいと思います。
まず第一に、バリカタ/ハリガネに採用されている素子は「電動ガン専用に設計されたチップであること」。
スイッチバリカタ・ハリガネは他に類を見ない小型チップで、電動ガンで使用される高性能、高出力なバッテリーにも充分に耐えうるスペックを持っています。
特に耐圧が非常に高く、圧倒的耐久性を誇ります。
スタッフの私物ではありますが、高負荷チューンで耐圧の許容度が低い素子を使用したSBDを使用すると、SBDが付いているにも関わらずあっという間にスイッチ接点が溶けてなくなった苦い思い出が……(つд⊂)
スイッチバリカタ・ハリガネは電動ガン専用に開発されているので、モーターのネジに直接取り付けるだけ。(電動ハンドガン等ははんだ付けが必要になります。)
しかも機種専用で数種類のラインナップがあるのでとても親切です。
また、SBDはどのメーカーの物でもモーターに取り付けるのが普通ですが、モーターに取り付けると言うことは、モーターの熱や振動、EMI(電磁妨害による障害)の影響を受けるということ。
バリカタ・ハリガネに使われているチップは、これらの問題を解消すべく専用で設計・開発されたチップなので、高性能・高耐久なのです。
バリカタ・ハリガネをオススメするもう一つの大きな理由は、
「素子のトレーサビリティーがしっかりしている」ということ。
トレーサビリティーとは、製造工程や製造年月日、流通の過程を明確にすること。
電子部品は生ものと同じで賞味期限のようなものがあるので、電子部品(チップ)メーカーは在庫期間を決めており、これを過ぎると内部が劣化し、スペックが落ちたりするので、基本的に廃棄となります。
セラミックと金属の複合体であるSBD等のチップ部品の寿命は、部品の種類・工法・メーカー等によって異なりますが、大まかには製造日より2年~4年と言われています。
パソコン等でも、使用に伴ってクラックの発生やターミナルの腐食等が進んでいくので、数年使っていくうちに少しずつ調子が悪くなってきて信頼性が落ちます。
数年使用したPCの動作が重くなる経験、「わかる!」って方も多いのではないでしょうか(・・)
バリカタ・ハリガネは新品のパソコンのようなもので、最高のスペックで使用することが出来るのです。
逆に、トレーサビリティーのしっかりしていないSBDは、極端に言えば中古のパソコンのようなもの。
現状は作動しているけれど作動が重かったり、突然壊れたり等のリスクがあります。
例えば、90年代後半のブラウン管時代の未使用品のパソコンがあったとしても、当時の新品のスペックそのままに使うことは出来ないかと思います。
スイッチバリカタ・ハリガネに使われている配線にも特徴があります。
配線が細くて柔らかいことで曲げたり配置したりする作業がやりやすいのが1つ。
もう一つは、万が一、ショートした時に配線が溶けるので、異常がひと目で分かること。
SBDの配線が太いものはショートが起こっているのに気づきにくく、なぜか銃が動かない、ヒューズが切れる等のトラブルのリスクがあり、原因究明に時間が掛かってしまう事があります。
以上の理由から、当店ではスイッチバリカタ・ハリガネをオススメしております。
また、スイッチバリカタ・ハリガネを付ける際にはいくつか注意点もございますので、合わせてご紹介します。
・プラスマイナスを逆に付けないこと。
一発で壊れます。
・使用するバッテリーの電圧によってバリカタ・ハリガネを使い分ける。
バリカタ→満充電時電圧が10v以下のバッテリー(Li-po7.4v、Ni-MH8.4v等)
ハリガネ→満充電時電圧が10v~15vのバッテリー(Li-po11.1v、Ni-MH9.6v等)
電圧が10v以下でも、EG30000やサマリウムコバルトモーター、海外製ハイトルクモーターにはハリガネを使った方がより高いスイッチ保護性能が期待できます。
・海外製モーター等で取り付けネジが12mm以上の物には「ねじっチャイナ」(樹脂製ネジ)を使用する。
一部海外モーターは内部が金属板でつながっており、金属ねじを締めこむことにより、+とーがつながります。
これがバリカタ・ハリガネを破壊してしまう原因となってしまいます。
ねじっチャイナのサイズが合えば、この破壊が起こらず、スイッチバリカタ・ハリガネの効果を得ることができます。
当店でバリカタ・ハリガネの取り付けをご注文頂いた場合、ねじっチャイナが必要なモーターであっても、追加料金無しで施工いたします。
・アクティブブレーキ付きのMOS-FETと併用しないこと
アクティブブレーキは、モーターに一瞬逆電流を流して強制的にモーターを止め、セミオートのキレを向上させる機能です。
これはSBDをプラスマイナス逆に付けたのと同じ状態。 SBDが壊れてしまうので、アクティブブレーキ機能付FETとの併用は厳禁です。
基本的にFETはSBDよりも上位のスイッチ保護性能を持っているので、アクティブブレーキ無しのFETであっても、併用しなくて良いでしょう。
SBDの利点は取り付けに時間もコストもほとんど掛からないこと!
電動ガンを買ったら使う前にまずSBDを取り付けましょう!
当店のカスタムモデルをご購入の際にはもちろん、すでにお持ちの電動ガンへの取り付けもお気軽にお申し付け下さい。
例えばM4系であれば10分も掛からず取り付け致しますので、ぜひご相談下さい。
以上、SBDのお話でした。